フィギュアスケート観戦など

フィギュアスケート観戦の感想等を記事にしています。無益なブログです。

お気に入りのプログラム覚書【23-24シーズン】

今季特に気に入ったプログラムをまとめました。
国内選手の試合映像を主に観ていたため、国内選手のプログラム中心です。
(以下、敬称略)

10.吉岡希SP『Lullaby for Sadness/Fate of the Clockmaker』

振付:ローリー・ニコル

japangamestv.japan-sports.or.jp(動画43:12辺り~)

ローリーニコルさんの振付はスケーティングを際立たせるイメージが強いんだけれども、そのうえで吉岡選手ならではの力みが見られないジャンプがプログラムに溶け込んでいるのが気に入っているポイント。

3A直後にその片足でスイスイ滑っていくところはかっこいいし、3Lzの空中での余裕が音楽の浮遊した感じにも合っていて好き。

オフィシャル動画はないんだけれども、スケートアメリカ全日本選手権でのパフォーマンスは、滑りの成長をひしひし感じる凄いものだった。

今季は披露していないもののローリーさん振付のFSもあるらしく、そちらも楽しみにならずにはいられない。

9. 河辺愛菜FS『Bolero』

振付:樋口美穂子

japangamestv.japan-sports.or.jp(動画2:38:46辺り~)

同じフレーズが繰り返されながら増していく音楽の盛り上がりを、スケートのスピードを上げて、上半身の動きを大きくしていきながら表現しているところが好き。

特にChSqは、河辺選手ならではのスピードある滑りからかっこよく繰り出されるイナバウワーやイーグルの技を、音楽のクライマックスに置いていていいなと思う。

ほぼ黒一色の衣装も一つ一つの動作を際立たせていて素敵。

8. 吉田陽菜SP『Koo Koo Fun』

振付:ケイトリン・ウィーバー


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吉田選手の動きの溌剌さやキレの良さが好きで、その良さが存分に活かされているプログラムだと思う。

特にシットスピン後からのペディスクワットイーグル、そこから3Loに向かって曲のリズムを拾いながら滑っていくところはカッコよくてドキドキ…!その3Loを跳び終わってから曲のテンポが上がって跳ねるようなStSqに入っていく流れもイイ。

7. 青木祐奈FS『She』

振付:ミーシャ・ジー


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(一番好きな演技はNHK杯のパフォーマンスなんだけれども動画が…)

ピアノのメロディーが移り変わっていくのに合わせて、青木さんがエッジを倒しながらジワーっと滑っていく様子が好きなプログラム。ステップが終わってラストのスピンにいくまでの流れも凄く綺麗。

2A1Eu3Fという青木さんならではのジャンプが序盤の曲の盛り上がる部分にバチっと入るとオイラーも観ていて気持ち良い…

今年大学を卒業されて、現役を続行することを発表されたので新プログラムも楽しみ。

6. 清水咲衣FS『Un Sospiro』

振付:キャシー・リード

ピアノの一音一音を大事にしているのを振付から感じてとても好きなプログラム。

ジャンプの前のつなぎであったり、降りた後の姿勢も肩から腕にかけて綺麗に使っていて引き込まれる。

特に好きなところが3Tを降りてから回る足替えのコンビネーションスピン。曲もくるっと変わるタイミングで逆回転に入っていくところがいい。

無料で見られるオフィシャル動画はないけれども、FODや録画を持っている方は見てほしく、(こういう表現はあまり好まれるものではないと思いつつも)宮原知子さんの「ため息」が好きな方はぜひ見てほしいプログラムでもある…!

5. 宮原知子FS『ロミオとジュリエット

振付:ステファン・ランビエール

ジャンプ含めた全ての要素が音楽にぴたっと合っていて素敵なプログラム。(シニアの競技会で1回きりですが披露されたということで入れました!)

前半のStSqは音を丁寧に拾いながら1ターンから1ターンへの体の切り替えも音楽と一体でシームレスで凄い。3Lo前の手を合わせる振りも好きだなあ。

前半の優しい音楽に合わせたたおやかな雰囲気から、後半の情熱・悲恋に向かって激しいスケーティングになっていくそのギャップもぞくぞくする。

プログラム全体が物語のようで競技を忘れさせる。プロスケーターの演技とはこういうものなのかなあとも思った。
先に彼女の競技プログラム「ため息」を挙げたけれども、訴えかけるような表現の豊かさが年々増していて、すごい。

4. 鍵山優真FS『Rain, in Your Black Eyes』

振付:ローリー・ニコル


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鍵山選手の綺麗な流れる滑りとピアノの旋律がとてもぴったりで大好き。エレメンツも全体の流れに溶け込むように入っている。(特に3F!!)

特に後半のChSqの途中で曲のテンポが上がっていくあたりからはスケートの流れはそのままに足元の鋭さが増してきてドキドキする。

そこから音楽と一緒に畳み掛けるような激しいStSqは圧倒される。最後のクライマックス部分で高速スピンの部分も、空に突き刺すような感じで大好き。

今季はスケート技術や身のこなしの洗練さが増したのも印象的だったのに加えて、衣装も(SP含め)かなりイメージチェンジしたなあと思った。シンプルかつ流れるような動きをより際立たせるようになっているのでは。

世界選手権の演技は(もちろんノーミスを狙っていたであろうことは前提として)、中盤ミスが出た後に観客の大声援の後押しで滑り切るのが、ほんとうに「雨ニモ負ケズ」のイメージ(そんな感じの事をローリーさんが取材で話していたらしい)と重なって印象的だった。

3. 友野一希SP『Underground』

振付:ジェフリー・バトル

japangamestv.japan-sports.or.jp(動画2:28:55辺り~)

エネルギッシュかつ、優しげな歌声にあわせてふんわりと音を拾っていくプログラム。技のタイミングも心地いい。

特にイーグルから足を踏みかえて跳ぶ3A、後半の曲が展開するタイミングでのバレエジャンプからフィニッシュまでの流れは生きる喜びというような高揚感で大好き…!

「Love I see you now」での足元と振りのシンクロっぷりに何回も映像をリピートしてしまう。

見ると明日もまた頑張ろうという元気が出てくる。

一観戦者として勝手なことと思いつつも、シーズン後半にエレメンツが揃った演技が本当に観たかった…!

2. 吉田唄菜・森田真沙也FD『Rise of the Phoenix』ほか

振付:マッシモ・スカリ

www.youtube.com吉田選手が不死鳥を表現するってどっからその発想来た!?というそのアイデアに大拍手…。

初見では驚いたけれど、貫禄というか未知の生き物らしい雰囲気も出せていて、でも柔らかいパートもあるのが火の鳥っぽくもあり素敵だと思う。

最後の羽ばたくようなダンスリフトがめちゃくちゃ好き!!(降ろしたくないリフト?らしい)

私は男女の関係性以外を題材にしたアイスダンスのプログラムに弱いのかもしれないな…

それと木下アカデミーのコネクションの幅がすごいね…!!?ちょっと前まで専属振付師がいるイメージ抱いていたけどそんなことなかった。

1. 佐藤駿FS『Four Seasons

振付:ギョーム・シゼロン

www.youtube.com夏、春、冬の3曲をミックスしたプログラムで、それぞれで激しさや美しさを滑り(演じ)分ける緩急がとても好き。

ゆったり大きく滑る夏から軽やかな春、激しく加速する冬のギャップが良い。フライングキャメルスピンから春の旋律が始まり、3Aを跳ぶタイミングでキリキリした冬の旋律に入っていくのもとても気持ち良い。緊張感とそこからグッと加速していく感じにワクワクする。

ChSqのイーグルをしながらの大きな振りもすごく印象的…!!


今季もいろいろ(雑)ありましたが、好きなテイストのプログラムが絶滅()していないことをありがたく思います。国内だけでも多様なプログラムを見られたシーズンでした。

来季はFSのジャンプの数の変更やコレオスピンの導入など新しい方向性を模索するようなルール改定もありそうで、選手それぞれのプログラムの方向性はどうなっていくのか気になります。